インボイス 納税額 比較計算機(2割特例 終了後)
2割特例が使えるのは個人事業者だと2026年分(令和8年分)が最後です。2027年からは、個人事業者限定の3割特例・簡易課税・本則課税のどれかを選ぶことになります。売上高と業種を入れると、どれがいくらになるのかを並べて比べ、簡易課税の届出期限(原則と特則の両方)まで出します。
2割特例は終わり、個人事業者に限り3割特例が使える1年目
% / 本則課税の計算に使います。ざっくりで構いません(仕入れ・外注費・ 経費のうち消費税がかかるものの合計 ÷ 売上)。給料・保険料・ 家賃(住宅)などは含めません。
売上はすべて標準税率10%として計算しています。8%(軽減税率)の売上がある場合は、売上税額の時点でずれるため、この概算は合いません。
税抜の課税売上高 5,000,000円 / 売上税額 500,000円(税抜売上 × 10%)を前提にした概算です。 課税仕入れの割合が70%を超えると本則課税がいちばん安くなります。
| 方式 | 納税額の概算 | 売上税額に対して | 2027年分(令和9年分)に選べるか |
|---|---|---|---|
| 2割特例 | 100,000円 | 20% | 選べない — 令和9年分には使えません(2割特例は令和8年9月30日の属する課税期間まで=個人事業者は2026年分が最後) |
| 3割特例最安 | 150,000円 | 30% | 選べる |
| 簡易課税 | 250,000円 | 50% | 選べる |
| 本則課税 | 400,000円 | 80% | 選べる |
特例が選べるかどうかは基準期間(前々年)の課税売上高で決まります。ここでは入力した売上高を基準期間の売上高とみなして判定しているので、 前々年と大きく違う年は実際の基準期間の額でご確認ください。
2027年分から簡易課税にするときの届出期限
- 原則
- 2026年12月31日まで
- 特則(前年に2割特例を使った人)
- 2028年3月31日まで
原則の2026年12月31日を過ぎていても、まだ間に合います。2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに「消費税簡易課税制度選択届出書」 (2027年分から適用を受ける旨を記載したもの)を提出すれば、 その課税期間の初日の前日に提出したものとみなされます (28年改正法附則51の2⑥・51の3⑤)。
いまの入力では3割特例がいちばん安いので、簡易課税を選ぶ必要はありません。ただし特例が使えるのは期間が決まっているので、その先の年でもう一度お試しください。
納税額だけで決めないでください
- 簡易課税は原則2年間やめられない(2年縛り)簡易課税
- 簡易課税制度を選ぶと、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用したあとでなければやめられません(適用を開始した課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出できません)。翌年に売上の構成が変わっても、大きな設備投資をしても戻せません。
- 本則課税は帳簿と適格請求書の保存が要件で、事務負担が段違いに重い本則課税
- 本則課税で仕入税額控除を受けるには、原則としてインボイス(適格請求書)と帳簿の保存が必要です。仕入れの1件ごとに税率区分と登録番号を確認して記帳することになります。「一番安い」が「一番いい」とは限りません。
- 還付が出るのは本則課税だけ本則課税
- 多額の設備投資などで課税仕入れに係る消費税額が課税売上げに係る消費税額を上回る場合、本則課税なら還付税額が生じますが、簡易課税・2割特例・3割特例では通常、還付は生じません(国税庁 問117-3)。
- 特例は申告書への付記が要る(届出は不要)3割特例
- 2割特例・3割特例は事前の届出が不要で、確定申告書にその旨を付記することで適用できます。逆に簡易課税は事前の届出が必要です。
納税額は概算です(円未満切捨て。実際の申告では国税分7.8%と地方消費税分2.2%に分けて 百円未満切捨てなどの端数処理が入るため、数百円ずれることがあります)。 簡易課税は原則2年間やめられません。データ最終更新日:2026年8月21日
2026年10月に、インボイスの経過措置が2つ同時に切り替わる
令和8年度税制改正(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号))により、インボイス制度の経過措置が売手側・買手側の両方で変わります。
- 売手側:2割特例が終わり、3割特例に変わる — 2割特例は令和8年9月30日の属する課税期間まで(個人事業者は2026年分が最後)。 代わりに個人事業者に限り、令和9年分・令和10年分の2年間、 納付税額を売上税額の30%にできる3割特例が創設されました。法人に3割特例はありません
- 買手側:控除できる割合が80%から70%へ — 免税事業者などインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについて、 仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置の割合が下がります(7・5・3割控除)
年ごとに、選べる方式が変わる(個人事業者)
| 申告する年 | 使える特例 | そのほかの選択肢 |
|---|---|---|
| 2026年分(令和8年分) | 2割特例(売上税額 × 20%) | 簡易課税/本則課税 |
| 2027年分(令和9年分) | 3割特例(売上税額 × 30%) | 簡易課税/本則課税 |
| 2028年分(令和10年分) | 3割特例(売上税額 × 30%) | 簡易課税/本則課税 |
| 2029年分(令和11年分)以降 | なし | 簡易課税/本則課税 |
- 2026年分(令和8年分) — 2割特例が使える最後の年。個人事業者の課税期間は暦年なので、令和8年9月30日をまたぐ2026年分までが対象になる
- 2027年分(令和9年分) — 2割特例は終わり、個人事業者に限り3割特例が使える1年目
- 2028年分(令和10年分) — 3割特例が使える最後の年
- 2029年分(令和11年分)以降 — 特例は無くなり、簡易課税か本則課税のどちらかを選ぶ
4つの方式と、使える条件
| 方式 | 納税額の概算 | 使える条件 |
|---|---|---|
| 2割特例(〜2026年分) | 売上税額 × 20% | インボイス登録により免税事業者から課税事業者になった人限定。基準期間の課税売上高1,000万円以下などの要件を満たす場合の、令和8年9月30日の属する課税期間まで(個人事業者は2026年分が最後) |
| 3割特例(2027・2028年分) | 売上税額 × 30% | 個人事業者限定。インボイス登録により課税事業者になった人で、令和9年分・令和10年分の2年間。基準期間の課税売上高1,000万円以下などの要件を満たす場合 |
| 簡易課税 | 売上税額 ×(1 − みなし仕入率) | 基準期間(前々年)の課税売上高5,000万円以下。事前の届出が必要(期限には特則あり)。いったん選ぶと原則2年間続ける |
| 本則課税 | 売上税額 − 仕入税額 | 誰でも選べる。帳簿と適格請求書(インボイス)の保存が要件 |
2割特例・3割特例は事前の届出が不要で、確定申告書にその旨を付記すれば使えます。簡易課税だけは事前の届出が必要です。
いちばん間違えやすいのは、簡易課税の届出期限
簡易課税は原則として事前の届出が必要で、期限は「適用を受けようとする課税期間の初日の前日」=個人事業者なら前年の12月31日です。ここだけを読むと、2027年分から簡易課税にしたい人は2026年12月31日が締切だ、と読めます。
しかし2割特例・3割特例を使っていた人には特則があります。その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに「消費税簡易課税制度選択届出書」(その課税期間から適用を受ける旨を記載したもの)を提出すれば、 その課税期間の初日の前日に提出したものとみなされます(所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)の附則51条の2第6項・51条の3第5項)。
| 簡易課税を適用したい年 | 原則の期限 | 特則の期限(前年に2割・3割特例を使った人) |
|---|---|---|
| 2027年分 | 2026年12月31日 | 2028年3月31日 |
| 2028年分 | 2027年12月31日 | 2029年4月2日 |
| 2029年分 | 2028年12月31日 | 2030年4月1日 |
2029年分の期限が3月31日でなく4月1日なのは、2030年3月31日が日曜日で、 提出期限が休日等に当たるときはその翌日になるためです(国税庁 インボイスQ&A 問117の注)。 出典:国税庁 インボイスQ&A 問117(令和8年4月改訂)
業種別みなし仕入率の早見表(簡易課税)
簡易課税の納税額は「売上税額 ×(1 − みなし仕入率)」で決まります。 みなし仕入率が高い業種ほど納税額は少なくなり、第1種(90%)・第2種(80%)は3割特例より安く、 第3種(70%)は3割特例とちょうど同じ、第4種以下は3割特例のほうが安くなります。
| 事業区分 | みなし仕入率 | 売上税額に対する納税額 | 3割特例との比較 | 該当する事業 |
|---|---|---|---|---|
| 第1種事業 | 90% | 10% | 簡易課税のほうが安い | 卸売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業) |
| 第2種事業 | 80% | 20% | 簡易課税のほうが安い | 小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで販売する事業で第1種事業以外のもの)、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業) |
| 第3種事業 | 70% | 30% | 同じ | 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業および水道業 |
| 第4種事業 | 60% | 40% | 3割特例のほうが安い | 第1種・第2種・第3種・第5種・第6種事業以外の事業。具体的には飲食店業など。第3種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業も第4種事業 |
| 第5種事業 | 50% | 50% | 3割特例のほうが安い | 運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業に該当する事業を除く)。第1種事業から第3種事業までに該当するものを除く |
| 第6種事業 | 40% | 60% | 3割特例のほうが安い | 不動産業 |
出典:国税庁 インボイスQ&A 問117-3(令和8年4月追加)。2つ以上の事業を営んでいる場合は、原則として事業区分ごとに分けて計算します (この計算機は1区分だけを前提にした概算です)。
買手側:免税事業者からの仕入れは何%控除できるのか
| 期間 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 2023年10月1日〜2026年9月30日 | 80% |
| 2026年10月1日〜2028年9月30日 | 70% |
| 2028年10月1日〜2030年9月30日 | 50% |
| 2030年10月1日〜2031年9月30日 | 30% |
| 2031年10月1日〜 | 0%(経過措置の終了) |
令和8年度税制改正で適用期限が2年延長され、80% → 70% → 50% → 30% → 0% の段階になりました。 一の相手からの課税仕入れの合計額が年10,000万円(改正前は100,000万円)を超える部分には経過措置を使えません。出典:国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月)
特例が使えない年もある
2割特例・3割特例は「インボイス登録によって免税事業者から課税事業者になった課税期間」に限って使えるものです。 次のような課税期間では、年が合っていても使えません。
- 基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超える年
- 特定期間の課税売上高などにより事業者免税点制度の適用が制限される年
- 相続があった場合の納税義務の免除の特例により制限される年
- 課税事業者選択届出書を出して課税事業者になった後2年以内に、一般課税で調整対象固定資産 (税抜100万円以上)を仕入れた場合など
- 一般課税で高額特定資産(税抜1,000万円以上)を仕入れた場合
- 一般課税で金または白金の地金等を仕入れた金額の合計額(税抜)が200万円以上である場合
- 課税期間の特例(1か月・3か月への短縮)の適用を受けている年
- 3割特例では、その課税期間の初日に恒久的施設を有しない国外事業者である場合
出典:国税庁 インボイスQ&A 問115-2(令和8年4月追加)
このツールが扱わないこと
- 消費税の確定申告書の作成 — どれを選ぶかを決めるための計算機であって、申告ソフトではありません
- 軽減税率8%の売上 — 初版は標準税率10%の売上だけを前提にしています。飲食料品を扱う事業者の方は、 売上税額の時点でずれるためご注意ください
- 法人の課税期間ごとの判定 — 個人事業者(暦年)を前提にしています。法人は決算月によって2割特例の終わる時期も届出期限も変わり、 3割特例は使えません
- 複数の事業区分がある場合の按分 — 簡易課税は原則として事業区分ごとに分けて計算します。この計算機は1区分だけの概算です
- 貸倒れ・棚卸資産の調整・売上返品などの調整
お金まわりのほかの計算機
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よくある質問
- 2割特例はいつまで使えますか?
- 令和8年9月30日の属する課税期間までです。個人事業者の課税期間は暦年(1月1日〜12月31日)なので、2026年分(令和8年分)の申告が最後になります。法人は令和8年9月30日を含む事業年度までです。
- 2割特例のあとは何も特例が無いのですか?
- 個人事業者に限り「3割特例」があります。令和8年度税制改正(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号))で創設されたもので、令和9年分(2027年)・令和10年分(2028年)の2年間、納付税額を売上税額の30%にできます。2割特例と同じく、免税事業者がインボイス発行事業者になったこと(または課税事業者選択届出書の提出)で課税事業者になった課税期間に限られ、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える年などは使えません。法人は対象外です。
- 3割特例と簡易課税は、どちらが安いですか?
- 業種によって逆になります。簡易課税の納税額は「売上税額 ×(1 − みなし仕入率)」なので、みなし仕入率が70%以上の業種(第1種=卸売業90%・第2種=小売業80%・第3種=建設業や製造業70%)では簡易課税のほうが安いか同じです。みなし仕入率が60%以下の業種(第4種=飲食店業・第5種=サービス業・第6種=不動産業)では3割特例のほうが安くなります。国税庁のQ&A(問117-3)も、小売業なら簡易課税のほうが納付額が少なくなると説明しています。
- 簡易課税の届出はいつまでに出せばいいですか?
- 原則は「適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで」で、2027年分から適用したい個人事業者なら2026年12月31日までです。ただし2割特例・3割特例の適用を受けた人には特則があり、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限まで(2027年分からなら2028年3月31日まで)に届出書を提出すれば、その課税期間の初日の前日に提出したものとみなされます(所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)の附則51条の2第6項・51条の3第5項)。年が明けてからでも間に合うのは、この特則があるためです。
- 「もう2026年12月31日を過ぎたから本則課税しかない」と聞きました
- 原則だけを見た誤解です。2026年分に2割特例で申告した個人事業者は、2027年分の確定申告期限(2028年3月31日)までに「2027年分から簡易課税の適用を受ける旨」を記載した消費税簡易課税制度選択届出書を出せば、2027年分から簡易課税を使えます。国税庁のQ&A 問117がこの取扱いを示しています。ここを取り違えると1年ぶん余計に納めることになります。
- 簡易課税を選ぶと、すぐにやめられますか?
- やめられません。簡易課税制度は、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用したあとでなければやめられません(適用を開始した課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出できません)。翌年に大きな設備投資を予定しているなら、還付が受けられる本則課税と比べてから決めてください。基準期間の課税売上高が5,000万円を超えた年は、届出を出していても簡易課税を使えません。
- 取引先が免税事業者です。私の仕入税額控除はどうなりますか?
- 2026年10月1日から、免税事業者などインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについて控除できる割合が80%から70%に下がります。その後も段階的に下がり、2028年10月から50%、2030年10月から30%、2031年10月以降は0%です(令和8年度税制改正で適用期限が2年延長されました)。あわせて、一の相手からの課税仕入れの合計額が年10,000万円(改正前は100,000万円)を超える部分にはこの経過措置を使えなくなります。
- 軽減税率8%の売上がある場合も使えますか?
- この計算機は売上がすべて標準税率10%であることを前提にしています。飲食料品など8%の売上がある場合は売上税額の時点でずれるため、結果は目安になりません。入力を増やさない代わりに、この前提を画面にも明記しています。
- 法人でも使えますか?
- この計算機は個人事業者(課税期間=暦年)を前提にしています。法人は課税期間が事業年度なので、2割特例が終わる時期も届出期限も決算月によって変わります。また3割特例は個人事業者限定で、法人は使えません。法人の方は課税期間に読み替えてご確認ください。
- この金額のまま申告して大丈夫ですか?
- いいえ、概算です。納税額は円未満を切り捨てて表示していますが、実際の申告では国税分(7.8%)と地方消費税分(2.2%)に分けた端数処理が入るため数百円ずれます。また、貸倒れ・棚卸資産の調整・売上返品なども考慮していません。正確な金額と適用の可否は、国税庁の資料または税理士にご確認ください(データ最終更新日:2026年8月21日)。
お金・社会保険の他のツール
このページについて
制度の内容・割合・期限は国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月)、国税庁 インボイスQ&A 問117(令和8年4月改訂)、国税庁 インボイスQ&A 問115-2(令和8年4月追加)、国税庁 インボイスQ&A 問117-3(令和8年4月追加)および国税庁「インボイス制度特設サイト」にもとづきます(根拠法令:所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)の附則51条の2・51条の3、所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号))。納税額は売上がすべて標準税率10%であることを前提にした概算で、円未満切捨てのみを行っています。実際の申告では国税分と地方消費税分に分けた端数処理が入り、数百円ずれます。適用の可否や届出の要否は、 国税庁の資料または税理士にご確認ください。データ最終更新日:2026年8月21日
計算結果は、日本の制度を対象とした目安です。実際の金額は加入している制度・自治体・契約内容によって変わります。手続きや申告の判断は、必ず公的機関の一次情報または専門家(税理士・社会保険労務士など)にご確認ください。本サイトは特定の個人に向けた税務・法律の助言を行うものではありません。
最終更新:2026年8月21日 / 計算の根拠と運営者について