養育費 計算ツール
家庭裁判所が使う標準算定方式で、養育費の月額の目安と算定表の該当レンジを計算します。2026年4月に施行された改正民法の法定養育費(取決めなしでも請求できる子1人あたり月2万円)と、養育費債権の先取特権(子1人あたり月8万円まで)にも対応しました。登録不要・相談への誘導なしで使えます。
源泉徴収票の「支払金額」が年収にあたります。 児童扶養手当・児童手当は年収に含めません。
源泉徴収票の「支払金額」が年収にあたります。 児童扶養手当・児童手当は年収に含めません。
算定表は子3人までです。4人以上は調停・弁護士相談の領域になります。
標準算定方式は0〜14歳と15歳以上の2区分で計算します(生活費指数62/85)。 公立中学校・高等学校の教育費相当額が織り込まれているためです。
算定表の該当レンジは4〜6万円(年額にすると約64.9万円)
この額は目安です。実際の養育費は父母の協議・調停・審判で決まります。算定表は標準的な家庭を 前提にしたもので、私立学校の学費・持病の医療費・住宅ローンの負担など 個別の事情があれば増減します。
- 支払う側の基礎収入
- 2,100,000円
- 受け取る側の基礎収入
- 500,000円
- 子に充てられる生活費(年額)
- 803,704円
- 養育費(年額)
- 649,145円
基礎収入 = 年収 × 基礎収入割合(支払う側42%・ 受け取る側50%)。そこから子の生活費指数(合計62)で子の取り分を出し、双方の基礎収入の比で分担します。
- 法定養育費(月額)
- 20,000円
- 先取特権が及ぶ上限(月額)
- 80,000円
法定養育費は子1人あたり月2万円 × 1人、先取特権の上限は子1人あたり月8万円 × 1人(いずれも法務省令)。法定養育費は2026年4月1日以降に成立した離婚だけが対象で、それ以前の離婚には適用されません。
2026年4月施行の改正民法で何が変わったか
民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が2026年4月1日に施行され、離婚後の共同親権が選べるようになりました。あわせて、養育費の支払確保に向けて2つの制度が新設されています。金額はいずれも法務省令(令和7年法務省令第56号・2025年12月12日制定)で定められました。
- 法定養育費(新民法766条の3) — 離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続き子を主に監護する親が、他方に対して子1人あたり月額2万円を請求できます(子2人なら月4万円、3人なら月6万円)
- 養育費債権の先取特権(新民法308条の2) — 公正証書や調停調書などの債務名義がなくても、父母間で作成した文書にもとづいて差押えを申し立てられます。ただし先取特権が及ぶのは子1人あたり月額8万円までです
なお、養育費の額そのものの決め方は改正されていません。双方の収入と子の年齢に応じて算定するという実務は変わっておらず、上の計算機はその標準算定方式にもとづいています。
法定養育費は2026年4月1日以降の離婚だけが対象(遡及適用なし)
法定養育費は改正法の施行後に離婚したケースのみに適用されます。2026年3月31日までに離婚が成立している場合は、この制度で遡って請求することはできません。法務省のパンフレットのQ&Aでも「私たちは今回の改正法施行前に離婚しましたが、暫定的な養育費は発生しますか」という問いに対して「発生しません。この規定は、改正法施行後に離婚したケースのみに適用されます」と明記されています。施行前に離婚している場合は、これまでどおり協議・調停・審判で額を取り決めてください。
先取特権については扱いが少し違い、施行前(2026年3月31日以前)に養育費の取決めがされていた場合でも、施行後(2026年4月1日以降)に生ずる養育費に限って付与されます。
先取特権には子1人あたり月8万円の上限がある
「先取特権がついたので取り決めた養育費を全部差し押さえられる」というのは誤りです。先取特権が及ぶのは子1人あたり月額8万円まで(子2人なら16万円、3人なら24万円)で、法務省令が定める標準額の範囲内に限られます。
たとえば子1人で月12万円の養育費を取り決めていた場合、債務名義なしで先取特権を使って差し押さえられるのは月8万円までで、残りの4万円については従来どおり公正証書・調停調書・審判書などの債務名義が必要です。取決めの際に公正証書を作っておく意味は、改正後も失われていません。
法定養育費は「暫定的・補充的」なもの
法定養育費の月2万円は、取決めができるまでのつなぎとして法務省令が定めた額で、適正な養育費の相場を示すものではありません。この計算機で出る算定表ベースの目安は、多くのケースで月2万円を上回ります。子の年齢や双方の収入を踏まえた適正な額を、協議または家庭裁判所の手続きで取り決めることが原則です。
標準算定方式の計算手順
裁判所の算定表(表1〜表9)は、次の方式で計算した結果を1万円または2万円の幅にまとめた早見表です。この計算機は表の値を写すのではなく、方式そのものを計算しています。
- 基礎収入を出す — 年収 × 基礎収入割合。公租公課・職業費・特別経費を除いた、生活費に充てられる部分です。割合は給与所得者で38〜54%、自営業者で48〜61%(収入が高いほど割合は下がります)
- 子に充てられる生活費を出す — 義務者の基礎収入 × 子の生活費指数の合計 ÷(100 + 子の生活費指数の合計)
- 双方で分担する — 2の額 × 義務者の基礎収入 ÷(義務者の基礎収入 + 権利者の基礎収入)。これを12で割ると月額になります
生活費指数
| 区分 | 指数 |
|---|---|
| 親(義務者・権利者とも) | 100 |
| 子 0〜14歳 | 62 |
| 子 15歳以上 | 85 |
15歳を境に指数が上がるのは、公立高等学校の教育費相当額が織り込まれているためです。子が15歳になったことは、養育費の増額を求める事情のひとつになります。
年収の求め方
- 給与所得者 — 源泉徴収票の「支払金額」(各種控除が引かれる前の金額)。給与明細の月額から推計すると賞与が抜け落ちるので、源泉徴収票を使ってください
- 自営業者 — 確定申告書の「課税される所得金額」。ただし基礎控除・青色申告特別控除や、実際には支払っていない専従者給与など、実際の支出を伴わない控除は足し戻して考えます
- 児童扶養手当・児童手当は含めません — 子のための社会保障給付なので、権利者の年収には算入しません
算定表の範囲を超える場合
算定表が想定しているのは、年収が給与2,000万円・自営1,567万円まで、子は3人までです。これを超える場合、方式をそのまま延長した額が妥当とは限らず、実務では個別の事情を踏まえた調整が行われます。この計算機は範囲外では金額を出しません。調停・審判や弁護士への相談で個別に判断すべき領域だからです。
よくある質問
2026年4月に養育費のルールは何が変わりましたか?
民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が2026年4月1日に施行され、養育費について2つの制度が新設されました。1つは「法定養育費」で、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、子を主に監護する親が子1人あたり月2万円を請求できます。もう1つは「養育費債権の先取特権」で、公正証書や調停調書などの債務名義がなくても、父母間で作成した文書にもとづいて差押えを申し立てられるようになりました。金額はいずれも法務省令(令和7年法務省令第56号)で定められています。なお、養育費の額そのものの決め方(裁判所の標準算定方式・算定表)は改正されていません。
2026年4月より前に離婚した場合も、法定養育費をもらえますか?
もらえません。法定養育費は改正法の施行後に離婚したケースのみに適用され、遡って請求することはできません。2026年3月31日までに離婚が成立している場合は、これまでどおり父母の協議や家庭裁判所の手続き(調停・審判)で養育費の額を取り決める必要があります。法務省のパンフレットでも「発生しません。この規定は、改正法施行後に離婚したケースのみに適用されます」と明記されています。なお先取特権については、施行前に取決めがされていた場合でも、施行後(2026年4月1日以降)に生じる養育費に限って付与されます。
先取特権があれば、取り決めた養育費の全額を差し押さえられますか?
いいえ。先取特権が及ぶのは子1人あたり月額8万円までです(子2人なら16万円、3人なら24万円)。たとえば月12万円の養育費を取り決めていて子が1人の場合、債務名義なしで先取特権を使って差し押さえられるのは月8万円までで、残りの4万円については従来どおり公正証書・調停調書・審判書などの債務名義が必要になります。上限の8万円は法務省令で「子の監護に要する標準的な費用」を勘案して定められたものです。
共同親権を選べば養育費は払わなくてよくなりますか?
なりません。養育費は親権の有無とは切り離された「扶養義務」にもとづくもので、2026年4月施行の改正法でも、父母は親権の有無や婚姻関係にかかわらず子を養育する責務を負うことが明確化されました(新民法817条の12)。共同親権を選んでも、子と離れて暮らす親が養育費を支払う義務は変わりません。逆に、単独親権であっても親権を持たない親の扶養義務が消えるわけではありません。
養育費はいつまで払うのですか?
原則は子が成年に達する(18歳)までですが、実務では父母の取決めで「22歳に達した後の最初の3月まで」(大学卒業まで)とすることも多く、進学の見込みなどを踏まえて個別に決められます。法定養育費(取決めがない場合の暫定的な額)については、①父母が養育費の取決めをした日、②家庭裁判所の審判が確定した日、③子が18歳に達した日、のいずれか早い日まで発生し続けると定められています。
離婚のときに養育費を取り決めないまま別れてしまいました。どうすればよいですか?
2026年4月1日以降に成立した離婚であれば、取決めがなくても法定養育費(子1人あたり月2万円)を請求できます。ただしこれはあくまで暫定的・補充的な制度で、本来は双方の収入と子の年齢に応じた額を取り決めるのが原則です。この計算機で出る算定表ベースの目安は多くの場合2万円を上回るので、まずは協議を、まとまらなければ家庭裁判所の調停を検討してください。地方公共団体や養育費・親子交流相談支援センターでも相談を受け付けています。
支払う側の収入がほとんどない場合はどうなりますか?
法定養育費については、請求を受けた側が「支払能力を欠くために支払うことができないこと」や「支払うと自らの生活が著しく窮迫すること」(生活保護を受給している場合など)を証明したときは、その全部または一部の支払いを拒むことができます。また、算定表にもとづく養育費についても、義務者の年収が低ければ月額は小さくなり、算定表上は0〜1万円のレンジになることもあります。この計算機でも双方の年収を入れれば、その水準が確認できます。
この計算機の金額はどうやって出していますか?
家庭裁判所が使う標準算定方式(平成30年度司法研究、令和元年12月23日公表)をそのまま実装しています。①年収に基礎収入割合(給与所得者は38〜54%、自営業者は48〜61%)を掛けて基礎収入を出す、②生活費指数(親100・0〜14歳62・15歳以上85)で子に充てられる生活費を按分する、③義務者と権利者の基礎収入の比で分担額を決める、という3段階です。算定表の値を写しているのではなく方式を計算しているので、表の升目の中間の年収でも連続した金額が出ます。実装が算定表とずれていないことは、算定表(表1〜表3)の升目と突き合わせるテストで確かめています。
再婚したら養育費はどうなりますか?
自動的に変わるわけではありませんが、変更の理由にはなります。受け取る側が再婚して再婚相手と子が養子縁組をした場合、第一次的な扶養義務は養親に移るため、実親の養育費は減額または免除されることがあります(養子縁組をしていなければ原則として変わりません)。支払う側が再婚して扶養する家族が増えた場合も、減額の事情として考慮されます。いずれも当然に変わるものではなく、協議か家庭裁判所の調停・審判での変更が必要です。この計算機は再婚・養子縁組を織り込んでいません。
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このページについて
出典:裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」(令和元年12月23日公表。標準算定方式・算定表と、その説明書)、法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について〔令和8年4月1日施行〕」、法務省民事局「養育費に関する法務省令の概要」(令和7年12月・法定養育費 月額2万円/先取特権 月額8万円)および「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(2026年1月改訂。遡及適用の有無)にもとづき作成。
本ページの内容と計算・判定の結果は、日本の法令と官公庁の公表資料にもとづく参考情報であり、法的助言ではありません。日本国内の制度だけを対象としており、他の国・地域の制度には対応していません。個別の事情によって結論が変わることがあります。権利や義務に関わる判断・手続きは、必ず公的機関(裁判所・警察・自治体など)の一次情報や窓口、または弁護士などの専門家にご確認ください。
最終更新:2026年8月16日 / 計算の根拠と運営者について