第4部 実践

やってはいけないこと・詐欺の見分け方

無登録業者の見分け方、SNS型投資詐欺の型、金融庁の警告リストの引き方。

投資で失うお金のうち、相場の変動ではなく詐欺で失う分があります。 こちらは分散でもリスク管理でも防げません。入り口で見分けるしかないので、章を立てて扱います。

まず確認する2つのリスト

この2つを見るだけで、多くの被害は避けられます。名前が似ているだけの偽サイトもあるので、金融庁のページから確認します。

金融商品取引業の登録なしに、 投資の勧誘や助言を業として行うことはできません。登録されていない相手からの勧誘は、その時点で法律違反です。

共通する型

手口は次々に変わりますが、言っていることの構造は変わりません。 次のどれかが出てきたら、いったん止まってください。

出てくる言葉なぜおかしいか
「元本保証」「必ず儲かる」断定的判断の提供は金商法で禁止。 登録業者なら言えません
「月利◯%」「年利30%」安定して高い利回りを出せるなら、他人に配る理由がありません
「今日だけ」「あと3名」考える時間を与えないための言い方です
「紹介すると報酬」資金が運用ではなく新規の出資者から出ている
「未公開株」「上場が決まっている」上場前の株を一般に勧誘することは通常ありません
「AIが自動で運用」仕組みの説明がなく、成果だけが示されることが多い

「元本保証で高利回り」は定義上ありえません。リスクとリターンの関係(第1部2章)から、 リスクを取らずに高いリターンだけを得ることはできません。 できるなら、その人が借金をしてでも自分でやります。他人を誘う必要がある時点で、話が成り立っていません。

ポンジ・スキーム

新しい出資者から集めたお金を、先の出資者への「配当」として配る仕組みです。 運用実態がないのに、初期は本当にお金が戻ってくるため、信じてしまいます。

最初に少額で試すと本当に戻ってくるので、安心して大金を入れてしまいます。これが設計の一部です。

SNS・マッチングアプリ経由の型

近年の被害で目立つ形です。国民生活センターにも相談が寄せられています。

  • 時間をかけて信頼関係を作る。恋愛感情や友人関係を先に作り、投資の話はあとから出します。 「投資詐欺」だと気づきにくくなります
  • 偽の取引画面を見せる。入金すると画面上では利益が増えていきます。数字はいくらでも表示できます
  • 出金しようとすると条件が出る。「税金を先に払え」「手数料が必要」。出金のために追加の入金を求められたら、確実に詐欺です
  • 著名人の名前や写真を使う。本人とは無関係な広告が大量に出回っています

詐欺ではないが注意が要るもの

違法ではなくても、説明の不足で損をしやすいものがあります。

  • 仕組みが説明できない商品。自分の言葉で他人に説明できないものは、リスクの所在も分かっていません(第2部17章)
  • 手数料が示されない提案。コストを聞いて明確に答えられない相手とは進めない(第1部5章)
  • 「節税になる」が主な理由の勧誘。節税額より損失が大きければ意味がありません(第2部15章)

おかしいと思ったら

  • その場で契約しない。持ち帰って調べる。 断る理由を用意する必要はありません
  • 家族や第三者に話す。詐欺は「誰にも言わないで」とセットで来ます。 口外を止められた時点で疑ってよい
  • 追加の入金は絶対にしない。被害回復をうたう二次被害もあります
  • 相談する。消費者ホットライン188、 金融サービス利用者相談室、警察(#9110)

まとめ

  • 詐欺による損失は分散でもリスク管理でも防げない。入り口で見分ける
  • 金融庁の登録業者一覧と、無登録業者の警告リストを両方確認する
  • 「元本保証で高利回り」は定義上ありえない
  • 出金のために追加入金を求められたら確実に詐欺
  • 口外を止められたら疑う。第三者に話す
  • 相談先は消費者ホットライン188、金融庁の相談室、警察#9110

参考文献

この章の記述は以下にもとづいています。制度は変わるので、 数字を実際に使う前に一次資料そのものを確かめてください。

  1. 官公庁無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について金融庁確認日 2026-09-07
  2. 官公庁投資・もうけ話のトラブル(消費者トラブル情報)独立行政法人 国民生活センター確認日 2026-09-07
  3. 官公庁暗号資産(仮想通貨)に関する注意喚起金融庁確認日 2026-09-07
  4. 官公庁投資の基本金融庁確認日 2026-09-07

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