第4部 実践

証券会社の選び方・口座開設

何を基準に選ぶか、口座開設で聞かれること、開設までの流れ。

ここから実践編です。まず口座を開くところから。具体的な証券会社名はこの教科書では挙げませんが、 何を基準に比べればよいかは書けます。

最初に確認すること——登録業者かどうか

比較の前に、金融商品取引業者として登録されているかを確かめます。 これは好みの問題ではなく、安全の前提です。

  • 金融庁が免許・許可・登録等を受けている業者の一覧を公表しています
  • 同時に無登録で金融商品取引業を行う者の名称も公表しています。 ここに載っている先とは取引しないでください
  • SNSやマッチングアプリで勧誘された取引所・アプリは、まずこの2つを確認する(第4部34章)

比べる観点

観点見るところ
手数料株式の売買手数料、投資信託の購入時手数料、外国株なら為替手数料
取扱商品買いたいものがあるか。外国株・ETF・債券の品揃えは差が出やすい
NISAの対応つみたて投資枠の対象商品数、クレジットカード積立の可否
iDeCoの運営管理手数料ここは金融機関で差がある(第3部19章)
使い勝手アプリの見やすさ、注文の出しやすさ、約定通知
入出金提携銀行、即時入金の可否、出金手数料

NISA口座は1人1つ、金融機関の変更は年単位です(第3部18章)。 特定口座は複数の証券会社に持てますが、 NISAはどこか1社を選ぶことになります。NISAで買いたい商品を扱っているかが、実質的にいちばん効く基準です。

開設の流れ

マイナンバーの提出は法律上必須です。用意しておくと途中で止まりません。

申し込みで聞かれること

項目意味
口座の種類特定口座(源泉徴収あり)が無難(第3部20章)
NISA口座を同時に開くか開くなら同時申込が楽。あとからでも開ける
投資経験・年収・資産適合性の原則にもとづく確認。正確に答える(虚偽の申告は自分の保護を外すことになる)
インサイダー登録上場企業に勤めている場合など。該当するなら必ず申告する
配当金の受取方法NISAで配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」が必要

配当金の受取方法は見落としやすい設定です。NISA口座で株やETFを持っていても、 受取方法が「配当金領収証方式」などになっていると、配当が課税されてしまいます。 証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選んでおく必要があります。

最初にやること・やらないこと

  • やること:少額で1回、実際に買って売ってみる。 注文画面の見え方、約定の確認、手数料の引かれ方を、 金額が小さいうちに把握しておく
  • やらないこと:いきなり全額を入れる。 第1部2章のとおり、下落に耐えられるかは経験するまで分かりません
  • やらないこと:開設直後に届く「おすすめ」をそのまま買う。 手数料の高い商品が案内されることがあります

まとめ

  • まず金融庁の登録業者かを確認する。無登録業者の一覧も公表されている
  • 手数料・取扱商品・NISA対応・iDeCoの手数料・使い勝手で比べる
  • NISAは1人1口座なので、買いたい商品を扱っているかが効く
  • 口座の種類は特定口座(源泉徴収あり)が無難
  • 配当金の受取方法を株式数比例配分方式にしないと、NISAでも配当が課税される
  • 最初は少額で一往復して、画面と手数料を把握する

参考文献

この章の記述は以下にもとづいています。制度は変わるので、 数字を実際に使う前に一次資料そのものを確かめてください。

  1. 官公庁投資の基本金融庁確認日 2026-09-07
  2. 官公庁無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について金融庁確認日 2026-09-07
  3. 業界団体・取引所投資の時間(投資教育コンテンツ)日本証券業協会確認日 2026-09-07

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